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実存は本質に先立つ~人の自由の本質とは~



「人間は自由の刑に処されている」と言った哲学者がいました。


フランスの哲学者 ジャン・ポール=サルトルは、人の自由について考えました。


サルトルは「実存主義」という思想を唱えた人物でした。


哲学者でありながら、小説家であり、劇作家でもありました。

そして、彼の思想は多くの人に影響を与えサルトルの葬儀には5万人もの人が参列したそうです。


当時の時代背景には、第二次世界大戦によって、それまでの価値観が大きく揺らいだヨーロッパの

人々がいました。

何を信じ、何を頼ればいいか分からない「根元的な不安」に直面し、何の為にどう生きていけば

いいのかが分からなくなっていました。


サルトルはその根元的な不安と向き合う為に「実存主義」を唱えました。

そしてこの思想は「根源的な不安」を抱える多くの人の生きる糧となりました。


人の価値観が大きく変わるような時代の転換点には、多くの人々が漠然とした不安を抱きます。


「人間の本質はあらかじめ決められておらず、実存(現実に存在すること)が先行した存在である。

だからこそ、人間は自ら世界を意味づけ行為を選び取り、自分自身で意味を生み出さなければならない。」


これが、サルトルが唱えた実存主義です。


本質とは目的や役割、実存とは存在することです。


例えば、鉛筆は字を書く為に作られます。

これは存在(実存)する前から「字を書く為」という役割(本質)があり生まれます。



しかし、人間は本質を持たずに生まれてきます。

そして意思によって自らが、役割を選んでいかなければなりません。


人には選ぶ自由があるというわけです。


しかし、サルトルはこの選択も自己欺瞞(自分を騙していること)だと言いました。


これが正しいと思い込むことによって自分を騙して納得しているとしました。


何かを自分で選択することは、人にとっては大きな負担やストレスになります。


「なんでも自由にやって下さい」と言われた方が人には負担になるということです。



人は生きている限り、選択をし続けなければなりません。

それは正解のないテストをやり続けるようなものなのかもしれません。


サルトルは、人生はその選択が正解であるかの証明だと言いました。

正解を見つけるのではなく、正しかったとを証明することこそが人生。


当時の時代背景には、大戦もありましたが、思想的なところでの変化もありました。


18,9世紀以降は、それまで多くの人が信じていた神様や天国や地獄といったものに

対して哲学者などが異を唱えることもありました。


「人は善行を積めば天国に行ける。」「神様は観ている。」と言った言葉は

人の本質を定義するようなものでした。

つまり、人は天国へ行くという目的のために、現世で神に仕え善行を積むために実存

しているという教えに対して疑問を持つ人も出てきました。


人生において、様々なタイミングでする選択に「間違い」はないのでしょう。

もちろん自身の能力や状況などを見極めた上ではありますが

その選択を正解にするのも不正解にしてしまうのも選択をした後の自分の行動次第

といったところなのだと思います。


今までの当たり前だった価値観が大きく揺らぐ今だからこそ、サルトルのこういった

教えは自身が現実と向き合い、生きて行くためには大切な教えなのだと思います。





Li(y)s 心理カウンセラー 北原正一郎

荒川区東日暮里 東京23区 カウンセリング/メンタルトレーニング

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