#10 「子育て」① 〜私がこどもの心理に関わるきっかけ〜
- 北原 正一郎
- 2021年4月14日
- 読了時間: 3分
日々、カウンセリングをしていると色々なご相談をいただきます。
私が受けたご依頼の中でも多かったのが、「子育て」についてでした。
私自身、既婚歴もなく、子育ての経験もありません。 しかし、私がカウンセラーとして「子育て」についてご相談を受けることができているのは、 心理学の学びはもちろんですが、過去の経験がとても大きいように思えます。
以前、私は児童養護施設に勤めていました。 そこでは、何らかの理由で親御さんと一緒に暮らすことができない満2歳から18歳未満の子供達がいました。
その理由は様々で、経済的な問題であったり、ご両親が亡くなっていたり、虐待であったり。 なぜ自分がここ(施設)にいるのか、その理由を知らない子たちもいました。
当時の私は20歳、福祉系の専門学校を卒業し社会人1年生でした。 私は、この子たちにとって自分がどんな存在になれるのか模索していました。
初めは「親」のような存在になれたらと思っていましたが、子供達はそれを求めていませんでした。 過去、どんなに辛い思いをしても「お母さん」「お父さん」に会いたいと言って泣いている子もいました。 子供達にとっての「親」という存在の大きさと、掛け替えのなさを知りました。
最初の私自身の呼び名は「先生」「職員」「北原さん」でした。 しかし、子供達と生活を日々過ごす中で、段々と呼び名が変わってきました。 「きったー」「きたちゃん」と最後はそんな風に呼ばれていました。 私には、それが堪らなく嬉しく思えました。
自分が子供たちの何らかの存在になれたことが、とても嬉しかったのだと思います。 親でもなく、兄でもなく、肉親でもないけれど、子供達にとって「きったー」と呼ばれる 存在になれたことがとても嬉しく思いました。
そこで暮らす子どもたちは、皆、個性豊かでした。
元気な子もいれば、おとなしい子もいました。 算数が得意な子もいれば、スポーツが得意な子もいました。 せっかちな子も、おっとりした子もいました。
そんな子どもたちと、日々一緒に過ごしていました。 辛い思いも、悩んだことも、腹が立つことも沢山ありました。 ですが、思い出すのは日々の何気ない、子供達と一緒に過ごした時間ばかりです。
そして、子供達は皆、それぞれが様々な「悩み」を抱えていました。 当時は私の価値観で、がむしゃらに関わることしかできませんでした。
私は今、カウンセラーという存在として子供達や、ご両親、子供達を支える方達に関わっています。 全ては、この時の経験のおかげだと思っています。 私には子育ての経験はありません。 しかし、過去の経験から子供達の成長を見守ることができ、今、それが活かされていること に、あの時、関わりを頂いた方全てに感謝したいと思います。
Li(y)s 心理カウンセラー 北原正一郎
荒川区東日暮里 東京23区 カウンセリング/メンタルトレーニング
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